ちょっと前のお話になりますが、昨年の10月26日に、全国をまわって郷土料理本をつくっておられる服部一景氏をお迎えして、葛尾村で「郷土料理お披露目会」を開催、翌日には、生まれてからずっと川内村高田島地区で暮らしているお母さん方に80年にわたる地域の暮らしと食文化についてのお話を聞きました。
お披露目した郷土料理は、芹のかきたま汁、どぶ漬、そうめんとじゅうねんの冷ダレ、辛子味噌のしそ巻、キュウリの佃煮、凍み餅のじゅうねん餡の6品。
なんだか涼しげなお料理が並びましたが、実は、ちょっと時期外れの春夏のお料理をご披露しました。
葛尾村にお勤めの若者達数人も試食に訪れましたが、郷土料理はふだんの食生活ではなかなか口にすることが少ないとのこと。手間のかかるお料理が食卓に上ることは減って来ているのかもしれません。
お煮しめやお漬物を並べて、お話が始まると止まることのない川内のお母さん方は、今ではちょっとクルマに乗って買い物に出れば何でも手に入る世の中になったが、それがなくとも不便だとは思わない。ここの暮らしに必要なすべては、田畑からとれるものと山にあるものを活かすことで不足がなかったからといいます。苦労話もたくさん聞くことができましたが、欲張らず知恵をしぼって明るくたくましく生きて行くことへの勇気をもらいました。
今回お披露目したお料理と、暮らしのお話については、2022年に服部氏の出版する「ふくしまのおかず春夏編」に掲載され、書店で販売されています。また、福島県内の小中高校には、無料で配布されるそうです。
服部氏によるステキなイラストも必見です。